タカコナカムラ × まるおかセレクション

「まるごと、いただきます」

タカコナカムラ

1957年 山口県生まれ。 安全な食と暮らしと農業、環境をまるごと考えるホールフードを提唱。 一般社団法人ホールフード協会を設立、代表理事。「50℃洗い」「ベジブロス」「塩麹」「スーパーフード」などの食のトレンドをつくり発信。 安全な食材、オーガニックの食材を使っての健康的な料理レシピ開発や発酵食に関する商品開発には定評あり。

今月のセットは「朝食」がテーマ

オンラインショップで毎月テーマに沿った内容でお届けしているセット商品の「まるおかセレクション」。今月は「朝食」をテーマにご家庭で簡単に朝食を楽しめる内容です。

ご飯の炊き方や美味しいおかずの作り方を料理家のタカコナカムラさんに教えていただきました。


セット内容1:タイコウ カツオ粉だしはこれ
一本釣りのカツオで作った香り高いだし「タイコウ カツオ粉だしはこれ」

セット内容2:経木納豆
甘味と旨味が絶妙な青森県産の三上さんの自然栽培の大粒大豆「経木納豆(まるおか限定)」

セット内容3:丈夫卵(6個入り)
薬を一切使わない自然と共生”生命農法”の「丈夫卵(6個入り)」

セット内容3:十五割糀 生みそ
北海道産の自然栽培白目大豆、米糀は宮城県産登米市の成澤さんの自然栽培のヒトメボレを使用した美味しい「十五割糀 生みそ」

自然が育む新米

まるおかで一番人気の米といえば熊本県の「高野さんちの自然栽培米」です。そのこだわりについて三代目高野三喜夫さんにお話を伺いました。

高野さんの祖父が37年前に自然農法で米作りをはじめ、40歳のとき、お父様の急逝で、突然、農業を継ぐことになりました。お祖父様や親父お父様から学んだ米作りは、自然の法則に添ったやり方で、美味しさを追求していくと「安心・安全」は、おのずとついてくるから・・・と教えられました。

しかし、自称「自然栽培」も多く、誰が見ても安全な米作りを認証すべきであると考え、2年後に、有機認証を取得することにしました。そこから、17年、毎年、更新を続け、JAS有機認証を取得してきました。

美味しいお米を作るには、田んぼの動物や微生物も生き生きと生活している状況が必要で、そのためには、化学肥料や農薬は一切使用せず、その動物や微生物たちが「土」を育ててくれると考えたからです。

高野さんの田んぼには、ジャンボタニシや豊年エビ、カエルが沢山います。高野さんは、動物性肥料を一切使わずに、米作りをされています。高野さんの米は、「甘み」「粘り」「つや」の三拍子そろっています。その秘密は、水の良さを含む「環境」ではないでしょうか。

熊本県菊池市を流れる菊池川の水源は、豊富なミネラルと酵素を含んでいること。内陸の盆地に位置し寒暖差が大きく稲の生育に適した地形であること。水はけのよい花崗岩を主成分とした砂壌土が広がる肥沃な大地であることです。高野さんは、この自然の恩恵に感謝しなければならない、先祖が耕したこの土地を、米作りを通じて残していきたいと考えています。その思いは米袋にあるメッセージからも伝わってきます。あらためて読んで口に出して読んでみませんか?

感謝
あなたとご縁を頂けたことに感謝しています。
種をまき、芽を出し、立派な稲穂が実を結ぶ
わたしはこの過程が大好きです。
そんな風にこのご縁も深まり実ってゆきますように

美味しいごはんの炊き方

炊く前に大切なこと!水はいい水をはじめから使うこと。米ははじめの水を吸うという習性があります。

カルキ入りの水道水で洗い、炊くときだけミネラルウぉーターウォーターという人はソレ、だめです。精米機も進化しているので、ごしごし研ぐ必要はありません。水が透明になるまで替えると栄養成分まで落ちますので、研ぎ過ぎには注意しましょう。

浸水の温度も大切で、15℃が浸水率が最もあがる温度といわれています。つまり、夏は冷たく冷やして。氷を入れて炊く人もいますが、それは、炊き始めは、40℃~60℃のを温度帯でを10分程度、比較的ゆっくり上昇させることが、大切だからです。

あまり少量でごはんを炊くと美味しくないのは、沸騰までに10分はかからないからです。お米は沸騰するまでの時間が長い方がより甘みがあっておいしくなります。沸点に達したら、一旦沸騰させたほうがおいしくできます。よい土鍋は蓄熱性があるため、火加減をしなくても勝手にボコボコと沸騰を維持してくれます。

炊飯器は、こういった火加減をセンサーがやってくれるので、ほぼ失敗なしで、そこそこのごはんを炊くことができます。土鍋で炊く方が美味しいとは限らないです。土鍋の形や質によります。ごはんを炊くには、分厚い土鍋で、蓋が落とし込みになっていて重いものを選ぶようにしましょう。

*炊き方のアドバイスはキッチンパラダイス(福岡市)の道具のプロ、田中文さんにアドバイスいただきました!

高野さんの新米で至福の朝ごはんのメニュー提案

炊きたてごはんといえば、卵かけごはん(TKG)。いつものTKGをワンランクアップしてみませんか。

是非、試していただきたい卵は、栃木県益子町の養鶏農園高橋ファームの「丈夫卵」です。純国産の「後藤もみじ」の卵。無投薬、自家配合飼料で飼育されています。私は、今から20数年前、代表の高橋勇二さんのお父様丈夫さんが始められた「生命農法」に強い感銘を受けました。

無投薬で養鶏はありえないほどのハードルが高く、丈夫さんは、独自の研究を重ね、雛の餌に炭を混ぜ、鶏舎に炭を強いて環境を整えるという方法にたどり着きました。ご自宅のすぐ脇に鶏舎があるのですが、全く鶏糞の臭いがしないことに衝撃を受けました。

残念ながら丈夫さんは志半ばで他界されたのですが、今でも、鶏舎の裏で竹炭を焼いたり、田んぼにカブトエビをみながら農業について教えてもらっ

白身をホイッパーでふわふわに泡だてメレンゲを作ります。たきたてのごはんにメレンゲをのせ真ん中に卵黄をのせる。大人味には、柚子ごしょう胡椒をお忘れなく。

鶏たちは、高橋ファームで育てられた無農薬の野菜や炭を食べているので、臭みがなく、コクがあります。是非、初めての方はTKGで食べてもらいたいです。いつものTKGがうんと美味しく楽しめます。なにより、家族みんなテンションあがりますね。

手間いらず味噌汁

和食の美味しさを決めるのは、出汁。出汁入り味噌汁ではなく、出汁をとった味噌汁はしみじみ美味しく。間違いなく、人生最後の日に食べたいひと品です。

ついに、簡単手抜きなのに、抜群においしい出汁取りを考案しました。細切りした真昆布と本枯れ節のかつお節の粉を水からいれて中火にかけます。沸いたら出汁の完成。こしてから味噌汁に使います。

それだけでおすすめするわけではありません。出汁をとった後の食材も有効利用して、佃煮を作りましょう。貯めてから後でまとめて・・・・なんて経験上、うそのはじまり。出汁を越した後、その場で作るのがコツ。

醤油、砂糖、みりんを入れて5分煮込み、炒り胡麻をかけて完成〜〜〜です。出汁の美味しさ、プラス、もれなく佃煮がついてきます。

味噌選び

味噌と醤油は地域性がある調味料です。

味噌の種類は、米味噌、麦味噌、豆味噌の3種類です。麦味噌の文化は九州、山口県、四国の一部。豆味噌は、愛知県。三重県、岐阜県の一部。日本で最も広範囲で食されるのが米味噌です。

今回おすすめの米味噌は、北海道産の伊藤さんの自然栽培白目大豆、米麹の米は、宮城県登米市の成澤さんの自然栽培のヒトメボレのを使用。仕込みは、私が最も尊敬する醸し人山形県白鷹町の麹屋の鈴木特則さんが 仕込んでいる絶品の味噌。

美味しい味噌は、水で溶くだけでもおいしい。白むすびに塗るだけでおいしい。味噌の「噌」という漢字は、味噌にしか使用されていないそうで、「にぎやか」という意味。つまり、本来の味噌汁は、野菜や海藻をたくさん入れて、にぎやかにして作るのが基本。きっと、貧しかった時代、おいしいごはんと具沢山の味噌汁さえあれば、健康で過ごせたのでしょう。

健康志向のごはんのお供は納豆

わたしのオススメの納豆は、「登喜和食品の納豆」です。発泡スチロール容器が一般的ですが、納豆マニアは、経木で包んであるものを選びたい。納豆菌も生き物。その寝床はやっぱり木の香りある自然のものが良いに決まっています。

最近の売れ筋納豆は、小粒タイプのもの。それは、納豆はごはんにかけて食べるものになってしまったからです。かつては、納豆はりっぱなおかずでした。

登喜和納豆の経木をめくると、なんとも大粒の納豆が顔を出します。青森県産の三上さんの自然栽培の大粒大豆。ふっくら甘味と旨味が絶妙です。

納豆の納豆を一番美味しくさせるのは200回混ぜることに結論づけました。納豆の旨味の正体はグルタミン酸という昆布と同じ旨味成分。納豆を混ぜて空気に触れることで、まろやかな味わいを引き出します。なぜ混ぜた直後に醤油やタレや薬味を入れるのが一番美味しいのか?納豆を一番美味しくさせるのは、混ぜた後にタレや薬味を入れることです。

納豆の薬味としてネギを入れるのはちゃんと理由があります。葱の酸化アリルという栄養素には抗酸化作用があります。納豆に含まれている酵素ナットウキナーゼとの組み合わせでビタミンB1の吸収率を高める効果もあります。

本品には、タレやからしはついておりません。せっかくの大粒納豆の味を引き立てる食べ方、を提案します。まず、味噌をいれてみましょう。味噌も大豆が原料なので、相性はバッチリです。よく混ぜた後に、味噌を少量いれて和えます。もうひとつは、梅干しを叩いて混ぜる。どちらも薬味の葱もお忘れなく。

もう一品、納豆を使った簡単ひと品を紹介します。

かぶ、人参を薄切りして塩をしておきます。白菜や大根など野菜はお好みで。水気を絞り、最後によく混ぜた納豆を混ぜ合わせます。味付けは醤油や味噌も美味しいですが、エキストラバージンのオリーブ油も合います。ほら、簡単でしょ?

簡単便利な卵焼きのもと

朝ごはんで必須がたまご焼きです。出汁、醤油、塩の割合が微妙に微妙にむづかしくむずかしく、出来上がりの硬さもマチマチ。絶対失敗しない卵やきの素が日東醸造の「卵やきのもと」

丈夫卵2個に大さじ2を加え、よく混ぜて、卵焼きを。失敗なし、ほのかに甘い卵やきの完成です。だし巻きと違い、硬さがちょうどよいので、弁当にも活用できます。

クイック漬物

新米の友といえば、漬物です。簡単な漬物を紹介します。

<大根の醤油づけ>
大根の皮をむき、さいの目に切ります。国産レモンはいちょう切りに。
ビニール袋にいれて、お好みの醤油を全体量の1/4程度いれて、袋ごと混ぜます。
1時間漬けるとハイ、大根の醤油漬け完成〜〜〜

<野菜の味噌漬け>
きゅうり、にんじんは皮をむいて食べやすい太さに。レンコンは、米酢をいれた
お湯でさっとボイルしておきます。ビニール袋に野菜をいれ、味噌と練りからしを混ぜて1時間おきます。ハイ、味噌漬けの完成です。

この2品、醤油と味噌を混ぜるだけの超簡単つけものです。1つだけ大切なことは、醤油と味噌が無添加であり、天然醸造のものでないとこんなことはできません。ホンモノの味噌と醤油は、出汁や砂糖、余分な調味料は一切不要。

高野さんの自然栽培米の至福の朝ごはん。特別、むずかむづかしい料理はありません。特別、豪華なおかずもありません。美味しい新米は家族を笑顔にしてくれます。

高野さんの新米、冷めても美味しい。いや冷めた方が美味しいかもしれません。私は「おひつ」を使っています。おひつは保温ジャーのようにいつまでもあったかくはないのですが、呼吸をする木がごはんを冷めてもおいしく劣化させません。日本人の素晴らしい道具の知恵だと思います。

美味しい素材の向こう側には、生産者のみなさんの汗と努力が詰まっています。こうやって、顔が見える、高野三喜夫さん、登喜和納豆の遊作さん、丈夫卵の高橋さんの笑顔、すずき味噌の鈴木徳則さんの上腕を思い浮かべることができます。これこそが、この上ない贅沢な朝ごはんだと思いました。生産者のみなさんのココロもいただきます。